“腕だけ”の動作が増えると
リスクが高くなります!!
上腕骨優位の動作パターンとは?
私たちの肩関節は、上腕骨(腕の骨)と肩甲骨が協調して動くことで、スムーズで安全な運動が可能になります。
ところが日常生活やスポーツ動作の中で、肩甲骨の動きが十分に発揮されず、上腕骨だけで動作を行ってしまうケースが多く見られます。
このような状態を「上腕骨優位の動作パターン」と呼びます。
どうして問題になるのか?
本来であれば「肩甲骨が主導し、上腕骨が追従する」という関係が理想です。
しかし肩甲骨の制御が失われると、上腕骨が前方に落ち込みやすくなり、腕を支えるために肘屈筋や上腕二頭筋長頭が過剰に働くようになります。
その結果…
- 腱板損傷
- 上腕二頭筋長頭腱障害
- 肩インピンジメント症候群
- 胸郭出口症候群(TOS)様のしびれ
といった障害へつながってしまいます。
スポーツ選手だけではありません
上腕骨優位の動作は、野球やバレーボールといった競技選手だけでなく、一般の方の生活動作にも潜んでいます。
例えば…
- 荷物を持ち上げる
- 洗濯物を干す
- デスクワークで肩を前に出す姿勢
こうした何気ない動きの中でも同じ構造的な問題が起こり、肩の痛みや可動域の制限につながります。
解決のカギは「ゼロポジション」
肩を守るためには、上腕骨を常に最適な位置に安定させる必要があります。
従来「ゼロポジション」とは投球動作における一瞬の理想的な位置を指してきましたが、私たちはこれをより広く捉えています。
それが「広義のゼロポジション」=常時発動型の上腕骨位置修正プログラムです。
胸郭・肩甲骨周囲筋・胸椎の可動性を土台に、動作の最中も日常生活でも、上腕骨が常に“ゼロに戻り続ける”仕組み。
これが働いていれば肩は守られ、働いていなければ痛みや障害を繰り返します。
全身とのつながり
さらに肩甲骨と上腕骨の関係は、下半身や体幹との連動、そして「地面からの力をどう受けるか」とも密接に関連しています。
肩だけを見ても本質的な改善にはつながりません。
まとめ
肩の不調やケガを防ぐ本質は、
👉 肩甲骨の制御とゼロポジションを途切れさせないこと
当院では、肩の症状に対して単に痛みを取るのではなく、この動作の土台から整えるアプローチを行っています。
スポーツ選手から一般の方まで、肩に不安を抱えるすべての方に役立つ方法です。
