目次
子どもの姿勢と成長 ─ “背が伸びる環境”を整えるという考え方
「背を伸ばすために何をすればいいですか?」
そう聞かれることがよくあります。
答えは、「特別な運動をすることではなく、背が自然に伸びていく“環境”を整えること」です。
その環境とは、睡眠や栄養だけでなく、どんな姿勢で日々動いているか、そして背骨にどんな力がかかっているか。
成長期のからだは、正しい姿勢で過ごせるだけで“伸びやすい状態”を取り戻せます。
「背骨に正しい力を通す」ことが、成長の土台になる
- 成長期の背骨はまだ柔らかく、縦方向に伸びようとしています。
- しかし、猫背や反り腰、頭の前突姿勢では、背骨にかかる荷重が均一ではなくなるため、
上へ伸びる力よりも「押しつぶす方向の力」が優位になります。 - つまり、姿勢が悪い=身長が止まる、ではなく、背骨が伸びるための道筋が歪んでしまうということなのです。
背骨にまっすぐ力を通すためには、**体幹の深層筋(多裂筋・腹横筋などのインナーマッスル)**がしなやかに働いていることが欠かせません。
固めるのではなく、「支える」。それが成長に適した姿勢です。
「体幹を固める」ではなく、「支える」を育てる
- 成長期の多くの子どもが、体幹を「固める」方向で使っています。
体育やスポーツで“体幹を意識して!”と言われることが多く、その結果、呼吸が浅くなり、背骨が圧縮されたままになっているケースもあります。 - この状態では、成長板(骨端線)への縦方向の刺激が入りにくくなり、結果的に背が伸びにくい姿勢になります。
成長に必要なのは、“安定して、呼吸できる”体幹。
多裂筋と腹横筋が呼吸とともに働くと、背骨にまっすぐな伸びの力が通ります。
ジャンプ=成長刺激。大切なのは「どんな姿勢で跳ぶか」
- 研究では、ジャンプや着地などの「衝撃刺激(メカニカルストレス)」が骨の成長を促すことがわかっています。
- ただし、姿勢が崩れたままのジャンプは、成長の刺激ではなく負担になってしまいます。
膝や腰への負荷が強まり、成長痛や腰椎分離症などにもつながります。 - 成長を促すのは、「背骨を垂直に保ち、衝撃を体幹で受け止めるジャンプ」。
つまり、“どんな姿勢で跳び、どう止めるか”が鍵になります。
Life Conditioning石巻では、
- 姿勢を保ったままの着地トレーニング
- 片脚でのバランス・ストップドリル
- オーバーヘッド動作(背骨の軸を整える)
を通して、**「伸びる姿勢で動ける身体」**を育てます。
水泳や体操も悪くない。大事なのは「どう動いているか」
- 「水泳は身長が伸びない」「体操は小柄になる」と言われますが、それは誤解を含んでいます。
- 水泳は、腹部を安定させた状態で肩甲骨を広く動かす理想的な運動。
特に、僧帽筋中下部・前鋸筋・広背筋を協調的に鍛えられます。 - 一方で、骨盤が動いてしまうバタ足や、体幹を固めすぎる姿勢は、腰への負担が増えます。
「どんな運動をするか」よりも、「どんな姿勢で運動しているか」。
ここに、成長を伸ばすか妨げるかの分かれ道があります。
「どれだけ動くか」よりも、「どんな姿勢で動くか」を見てあげてください。
もしそこに不安があるようなら、一度姿勢や動き方をチェックしておきましょう。
当施設でできること
- お子さまの姿勢・動作の分析(姿勢測定+動画)
- 多裂筋・腹横筋の協調を促す体幹トレーニング
- 背骨の軸を通した正しいジャンプ・着地練習
成長を“止めない”からだづくりを、一緒にサポートします。
成長期のからだは、毎日の姿勢と動き方で未来が変わります。
「背を伸ばす」ではなく、
「伸びる力が育つ姿勢」を整えること。
それが、Life Conditioning石巻が目指す“成長を支えるコンディショニング”です。
